10月1日施行「育児・介護休業法の改正」と「教育訓練休暇給付金の創設」

10月1日施行「育児・介護休業法の改正」と「教育訓練休暇給付金の創設」

育児・介護休業法 改正】

柔軟な働き方を実現するため、4月の改正に引き続き施行されます。

■ 3歳から小学校就学前の子を養育する労働者への措置

事業主は以下の①~⑤のうち、2つ以上の措置を選択して講じる必要があります。就業規則等の見直しも必要です。
労働者は、その中から1つを選んで利用できます。

  1. 始業時刻等の変更
  2. テレワーク等(月10日以上)
  3. 保育施設の設置運営等
  4. 就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇の付与(年10日以上)
  5. 短時間勤務制度

■ 3歳未満の子を養育する労働者への措置

  • 子が3歳になるまでの適正な時期に、制度に関する事項の個別の周知と制度利用の意向の確認をしなければなりません。
  • 労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と子が3歳になるまでの適正な時期に、仕事と育児の両立に関する事項について、個別に意向聴収と必要な配慮をしなければなりません。

【教育訓練休暇給付金の創設】

雇用保険に加入している一般被保険者が、在職中に本人の意思で職業に関する教育訓練を受けるための休暇を取得した場合、休暇期間中、失業給付に相当する給付を受けることができます。

この制度は、労働者のスキルアップやリスキリングを支援するために設けられたものです。支給要件等、詳しくは厚生労働省のHPをご確認ください。

教育訓練休暇給付金 |厚生労働省

職場における熱中症対策について

職場における熱中症対策について

 

令和7年6月1日より、改正労働安全衛生規則が施行され、熱中症を生ずるおそれのある作業を行う際に、以下の措置を講ずることが事業者に義務付けられました。

日本の夏は年々厳しさを増しており、熱中症による労働災害も後を絶ちません。この状況を受け、事業者は単なる注意喚起ではなく、実効性のある対策を講じることが法的な義務となったのです。

 

  1. 熱中症を生ずるおそれのある作業とは?

定義:「WBGT(湿球黒球温度)28度又は気温31度以上の作業場において行われる作業で、継続して1時間以上又は1日当たり4時間を超えて行われることが見込まれる作業」

WBGTとは、「暑さ指数」とも呼ばれ、湿度や周辺の熱環境なども踏まえた指標です。炎天下での屋外作業はもちろん、以下の状況などは注意が必要です。

・倉庫内、サーバー室、機械室など、空調が不十分な小部屋での作業

・高温を発する機械のそばでの作業

・設備、配線のメンテナンスなど、空調自体をOFFすることが必要な作業

・会場設営、街頭での販促活動など、イベント的に発生するような慣れない作業

・稼働時間外のオフィスでの保守作業など(空調がOFFになっていないか)

 

  1. 義務付けられている措置
    • 熱中症発生時の連絡体制をあらかじめ定め、関係作業者に周知する

熱中症を自覚(または発見)した時の「連絡先」と「担当者」を決めておく

  • 熱中症発生時の対応手順をあらかじめ定め、関係作業者に周知する

いざという時慌てないように、各事業場の特徴に応じた対応行動をシミュレーションし、手順化(フロー図)しておきましょう。一般的には以下の流れになります。

◎事業場ごとに緊急連絡網や緊急搬送先(連絡先・所在地を明記)を定めておく

STEP1:作業からの離脱

STEP2:身体の冷却

STEP3:判断・対処(救急車?医師の診察・処置?経過観察?)

STEP4:連絡・報告

フロー図の例は、下記リンクを参照してください

https://jsite.mhlw.go.jp/toyama-roudoukyoku/content/contents/002212914.pdf

  1. 特に配慮すべき従業員

〈高年齢労働者〉

高年齢労働者は、本人の自覚以上に身体的機能が低下している傾向があり、このことが労働災害増加の一因にもなっています。熱中症に関しても、高年齢労働者の「暑さを感じにくい」「我慢強い」などの特性がリスクとなってしまいます。ぜひ、周囲の方から、水分補給や休憩の積極的な声かけを行ってください。普段からコミュニケーションを取ることを心掛け、異変に気付ける関係づくりが望まれます。また、持病などの把握や、健康状態の確認なども有効です。

〈外国人労働者〉

近年、外国人労働者の活躍する機会が増えています。外国人労働者は、日本の暑さやその対処法に慣れておらず、また、言語や文化の違いから体調不良を訴えにくい場合があります。多言語での情報提供を行うよう配慮してください。イラストや記号を活用するのもよいでしょう。言語が分からなくても、仲間意識を感じられるようなコミュニケーションが普段から行われていると、外国人労働者にとってありがたいものとなるでしょう。

 

  1. 「義務」で終わらせない

実際の作業現場においては、ベテラン作業員を中心に、熱中症対策は慣例的に行われていることと思います。しかし、近年の人手不足を背景に、外国人労働者、高年齢労働者、単発労働者など、現場に不慣れな労働者も共に働く機会が増えています。

今回の改正により、今まで慣例的に行われていた対策対応を、多言語も含め改めて明文化し、より多様な労働者の共通認識として共有することが義務となりました。

これらの義務は、企業にとって負担が増えると感じるかもしれません。しかし、これは単なる義務ではなく、人の命を守る大切な取り組みです。

また、熱中症対策に限らず、企業内の慣例を明文化することは、長い目で見ると企業や社会全体の生産性向上、労働者不足問題に向き合う上でも非常に需要です。

「義務だから」と、表面的に体裁を整えるのみならず、今一度、「人・命・未来」を見つめなおす機会にしてみてはいかがでしょうか?

 

〈参考〉

厚生労働省 職場における熱中症対策パンフレット

https://jsite.mhlw.go.jp/toyama-roudoukyoku/content/contents/002212913.pdf

オンライン事業所年金情報サービスで届書作成をスマートに!

「オンライン事業所年金情報サービス」を使うと、社会保険料額や被保険者データ、各種決定通知書を電子データでe-Govから受け取ることができます。このサービスで受け取れる電子データで、以下のことができます。

① 保険料の内容が確認できる
② 保険料の引き落とし金額がわかる
③ 届出に基づいて日本年金機構が行った処理結果がわかる
④ 電子申請に活用できる

上記のうち④について、e-Govから受け取れる「被保険者データ」を「届書作成プログラム」に読み込ませることで、届書作成プログラム上で利用することができます。届書作成プログラムは日本年金機構のホームページ上に無料で公開されていて、算定基礎届等の届書作成を行うことができます。
※被保険者データは届書作成プログラム専用に作成されており、それ以外のプログラムでは使用できません。

オンライン事業所年金情報サービスで電子データを受け取るには、以下の手続き・作業が必要となります。

  1. 各種アカウント※(g-BizID、e-Govアカウント、Microsoftアカウント、Googleアカウント)によるe-Govへのログイン
  2. オンライン事業所年金情報サービスの利用申し込み
  3. データの受け取り

※アカウントについて以下の点にご注意ください。

  • g-BizIDの取得には2週間程度かかります。
  • e-Govアカウント等のg-BizID以外のアカウントを利用する場合、申請時に電子証明書が必要になります。

なお、このサービス開始に伴い、希望する事業主および社労士に郵送していた被保険者データCDの提供は、令和7年3月末をもって終了しています。

オンライン事業所年金情報サービス、届書作成プログラムの詳細につきましては、日本年金機構で公開されているYouTube・ホームページをご覧ください。

■YouTube解説(動画:7分20秒)

(日本年金機構)【毎月の社会保険料額、保険料増減内訳書、被保険者データ等を電子データで確認!】オンライン事業所年金情報サービス<事業主の方・社会保険事務担当の方・社会保険労務士の方向け>

■オンライン事業所年金情報サービス解説ページ(リンク)

「オンライン事業所年金情報サービス」はより多くの方が利用できるようになりました|日本年金機構

■届書作成プログラム

届書作成プログラム|日本年金機構

■被保険者CD提供終了のお知らせ

被保険者データのCDによる提供は終了するため、被保険者データの受け取りは、オンライン事業所年金情報サービスをご利用ください|日本年金機構

労働保険「年度更新」のご案内(2025年度)

労働保険「年度更新」のご案内(2025年度)

労働保険の「年度更新」手続きが、今年も始まります。正確な申告と納付を行うために、以下の情報をご確認ください。

年度更新とは?

労働保険の「年度更新」とは、事業主が毎年、以下の2つの手続きを行うことを指します。

  • 前年度(令和6年度)の確定保険料の申告・納付
  • 新年度(令和7年度)の概算保険料の申告・納付

これらは「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」に基づく義務であり、毎年4月1日から翌年3月31日までの賃金総額をもとに保険料が算出されます。

手続き期間

  • 令和7年6月2日(月)〜 令和6年7月10日(木)

この期間内に申告・納付を行ってください。
期限を過ぎると、政府による保険料の決定および追徴金(最大10%)の対象となる場合があります。

手続きの流れ

  1. 賃金の集計
    令和6年4月1日〜令和7年3月31日までに支払った全ての賃金(支払日が令和7年4月以降でも確定している分を含む)を集計します。
  2. 確定・概算保険料の計算
    集計した賃金総額に保険料率を乗じて、確定保険料と新年度の概算保険料を計算します。
  3. 申告書の作成・提出
    必要事項を記入した申告書を、管轄の労働局・労働基準監督署または電子申請(e-Gov)にて提出します。
  4. 保険料の納付
    金融機関窓口または口座振替、電子納付で保険料を納付します。

提出・納付方法

方法 申告書提出 保険料納付
労働局・監督署への持参 金融機関へ別途納付または口座振替等
郵送 〇(返信用封筒を同封) 金融機関へ納付が必要
電子申請(e-Gov) 電子納付、口座振替等が利用可

※申告書と納付書は切り離さずに提出してください。
※添付書類(特別加入者がいる場合)は併せてご提出ください。

再発行について

申告書または納付書を紛失・破損した場合は、以下の対応が可能です。

  • 都道府県労働局:複写式の用紙で再発行可能(金融機関提出可)
  • 労働基準監督署:提出用と控えが別用紙。金融機関には提出不可。

ご注意ください

  • 納付期限に遅れると延滞金(年率8.7%、初回2ヶ月は軽減)が発生します。
  • 特別加入者の申告には**「内訳名簿」「算定基礎額特例対象者内訳」**等の添付が必要です。
  • 「申告書の記入は黒ボールペン」「数字は標準字体で丁寧に記入」などの注意事項もご確認ください。

詳しくは厚生労働省HPをご確認ください

主要様式や手引きは下記サイトからダウンロード可能です。
厚生労働省 労働保険年度更新に係るお知らせ

神奈川労働局より令和7年度の重点施策が発表されました!

令和7年4月1日付で厚生労働省より「令和7年度 地方労働行政運営方針」が策定され、それに基づき、神奈川労働局からも「令和7年度 神奈川労働局の重点施策」が発表されました。

本年度の重点施策として、以下の4項目が挙げられています。

1.賃上げ支援
2.リスキリング(学び直し)の推進
3.人手不足対策
4.魅力ある職場づくり

特に、4つ目の「魅力ある職場づくり」では、「安全で健康に働くことができる環境づくり」の一環として「長時間労働の抑制」が重要な施策として掲げられています。

時間外労働の上限規制は、令和2年4月から中小企業に適用され、令和6年4月からは建設業にも全面的に適用されています。
また、時間外労働・休日労働の合計が月80時間を超える事業所については、所轄の労働基準監督署による監督指導の対象となる方針です。

これを受けて、各事業所では時間外労働の上限規制の再確認を行い、過重労働のない職場づくりに取り組んでいく必要があります。

詳細については、以下の資料をご参照ください。

令和7年4月から『出生後休業支援給付』『育児時短就業給付』が創設されます。

育児休業等給付として、子の年齢や養育の状況に応じて、雇用保険の被保険者の方で一定の要件を満たす場合に以下の給付金が支給されます。

「出生時育児休業給付金」
子の出生後8週間以内に、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した場合、合計4週間(28日)を限度に支給されます。(2回まで分割取得可)

「育児休業給付金」
 原則、1歳未満の子を養育するために育児休業を取得した場合に支給されます。(2回まで分割取得可)

New「出生後休業支援給付金」*R7年4月から
「出生時育児休業給付金」または「育児休業給付金」を受給する方が、両親ともに一定期間内に合計14日以上の育児休業(産後パパ育休を含む)を取得し、一定の要件を満たした場合に支給されます。

New「育児時短就業給付金」*R7年4月から
2歳未満の子を養育するために所定労働時間を短縮し、賃金が低下するなど一定の要件を満たした場合に支給されます。

詳しくは、厚生労働省の下記ページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000135090_00001.html

2025年1月から「離職票」をマイナポータルで受け取り可能に!

2025年1月から「離職票」をマイナポータルで受け取り可能に!

離職票とは?

「離職票」とは、雇用保険の求職者給付(基本手当など)を受けるために必要な書類です。これまでは離職前の事業所から郵送されるのが一般的でしたが、2025年1月20日から希望者はマイナポータルを通じて電子的に受け取ることができるようになります。

マイナポータルで受け取るメリット

  1. スムーズな受け取り
    事業所からの郵送を待つ必要がなく、すぐに書類を確認できます。
  2. 紛失リスクの低減
    紙の書類のように紛失する心配がなく、必要なときにダウンロード可能。
  3. 24時間いつでも確認可能
    自宅や外出先からスマートフォンやPCで確認できます。

サービス利用の条件

このサービスを利用するには、以下の条件を満たしている必要があります。

  • マイナンバーをハローワークに登録していること
  • マイナンバーカードを取得し、マイナポータルの利用手続きを行っていること
  • 事業所が電子申請により雇用保険の離職手続きを行っていること

利用手順

STEP1: マイナンバーがハローワークに登録されているか確認

  1. マイナポータルのアプリを起動
  2. ホーム画面の「その他のわたしの情報」→「雇用保険・労災」→「雇用保険」をタップ
  3. 事業所名と被保険者番号が表示されているか確認

STEP2: マイナポータルと「雇用保険WEBサービス」を連携

  1. マイナポータルのアプリを起動
  2. 「雇用保険WEBサービス」を選択し、「同意して次へ」をタップ
  3. 「連携」ボタンを押して完了

STEP3: 「離職票」の受け取り

  1. マイナポータルの「お知らせ」を確認
  2. 「雇用保険被保険者離職票が交付されました」という通知をタップ
  3. PDFデータをダウンロードして保存

注意点

  • 事業所が電子申請に対応していない場合、従来どおり郵送での送付となります。
  • マイナポータルの「お知らせ」の保存容量を超えている場合、離職票の受信ができない可能性があります。
  • 「雇用保険被保険者資格喪失届(離職票交付なし)」を届け出た場合、離職票は発行されません。

まとめ

2025年1月20日から、離職票の受け取りがより便利になります。スムーズに求職活動を進めるためにも、マイナポータルの登録と設定を事前に済ませておきましょう!

令和7年度の年金額改定と高年齢雇用継続給付と年金の調整

1.令和7年度の年金額改定

令和7年度の年金額が、令和6年度から1.9%引き上げられます。令和7年6月支給分から改定された年金が給付されます。
詳しくは、厚生労働省の下記ページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/12502000/001383981.pdf

2.高年齢雇用継続給付と年金の調整

令和7年4月1日より、高年齢雇用継続給付の支給率が変更になります。
年金を受けながら厚生年金保険に加入している方が高年齢雇用継続給付を受けられるときは、在職による年金の支給停止だけでなく、さらに年金の一部が支給停止されます。
年金の支給停止額(月額)は、最高で標準報酬月額の4%に相当する額です。

・改正前(令和6年度) 標準報酬月額×6%
・改正後(令和7年度) 標準報酬月額×4%

高年齢雇用継続給付の支給率の変更については、厚生労働省の下記ページをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/content/001328827.pdf